調査内容
1. 趣旨
   郷土料理の基礎調査として,県内における「ぐんまの郷土料理」の提供店舗と提供内容の把握を行う。
2. 調査対象
   群馬県内のうどん,郷土料理,道の駅及び旅館・ホテルの各店舗。(アンケート依頼 1,006店舗)
*「ぐんまのうどんガイドブック」郷土料理掲載店舗
*iタウンページに記載されていた(うどん店,郷土料理店,道の駅)各店舗
*電話連絡及びネット検索による店舗及び旅館・ホテル
*旅館組合(草津・伊香保・水上・猿ヶ京・老神・四万・磯部)などによる情報提供店舗
3.調査期間
平成25年7月10日(水)~平成26年1月31日(金)
4.調査方法
アンケート送付後,自記式及び聞き取り

アンケート調査及び取材結果の概要

●アンケート回答率
総数 回答店舗
1006 282(28.0%)

●地域別回答率  
前橋市 高崎市 桐生市 伊勢崎市 太田市 沼田市 館林市 渋川市 藤岡市 富岡市
総数 158 167 79 74 62 43 31 64 28 20
回答店舗
(%)
38
(24.1%)
37
(22.2%)
27
(34.2%)
25
(33.8%)
10
(16.1%)
9
(20.9%)
5
(16.1%)
21
(32.8%)
7
(25.0%)
12
(60.0%)
安中市 みどり市 北群馬郡 多野郡 甘楽郡 吾妻郡 利根郡 佐波郡 邑楽郡 平均
総数 27 37 23 6 17 72 60 7 31 1006
回答店舗
(%)
6
(22.2%)
13
(35.1%)
16
(69.6%)
2
(33.3%)
9
(52.9%)
19
(26.4%)
19
(31.7%)
3
(42.9%)
4
(12.9%)
282
(28.0%)

   1,006店舗のうち282店舗から回答があり,28.0%の回答率であった。
   回答締め切り後,未回答の店舗には再度ハガキにて回答のお願いをしたところ,「郷土料理は提供していないので関係ないと思った」や「返信用切手や封筒などがないため回答しなかった」などの声が聞かれた。また,この様なアンケートをする場合は,「組合あてに連絡をいただければ協力がスムーズに行える」などの意見もあった。
   地域別にみると富岡市や北群馬郡で回答率が高かった。甘楽郡・佐波郡は店舗数が少ないため,回答割合が高くなったと考えられる。

1. 郷土料理を提供しているか 
している していない
164(58.0%) 118(42.0%) 282(100.0%)

●していると答えた店舗のうち郷土料理の提供店舗割合
郷土料理 それ以外
123(74.8%) 41(25.2%) 164(100.0%)

   群馬特産のこんにゃくや下仁田ネギなどを使った料理や冷汁などを,郷土料理としている店舗があった。また,「おっきりこみが郷土料理とは知らなかった」という意見もあった。


●地域別郷土料理提供店舗割合 
前橋市 高崎市 桐生市 伊勢崎市 太田市 沼田市 館林市 渋川市 藤岡市 富岡市
総数 158 167 79 74 62 43 31 64 28 20
回答店舗
(%)
11
(7.0%)
22
(13.2%)
9
(11.4%)
14
(18.9%)
4
(6.5%)
3
(7.0%)
2
(6.5%)
6
(9.4%)
5
(17.9%)
7
(35.0%)
安中市 みどり市 北群馬郡 多野郡 甘楽郡 吾妻郡 利根郡 佐波郡 邑楽郡 平均
総数 27 37 23 6 17 72 60 7 31 1006
回答店舗
(%)
3
(11.1%)
7
(18.9%)
11
(47.8%)
1
(16.7%)
3
(17.6%)
3
(4.2%)
10
(16.7%)
1
(14.3%)
1
(3.2%)
123
(12.2%)

   回答率が高い地域は郷土料理提供割合も高かった。    郷土料理提供店舗の割合が高い地域は,市町村での郷土料理に関する事業や,JAや商工会などによる支援体制があった。富岡市や北群馬郡では,観光地という立地条件もあり,店舗数が多いと考えられる。

2. 提供している郷土料理件数について
●おっきりこみ(複数回答) 
おっきりこみ おきりこみ 煮ぼうと ほうとう 煮込みうどん その他
43
(21.4%)
58
(28.9%)
11
(5.5%)
7
(3.5%)
41
(20.4%)
41
(20.4%)
201
(100.0%)
●味付け(複数回答)
しょうゆ みそ 混合 その他
118(58.7%) 48(23.9%) 26(12.9%) 9(4.5%) 201(100.0%)
*その他味の種類
カレー
トマト
辛みそ
●生麺のまま煮込む調理方法の割合(おっきりこみ,おきりこみ,煮ぼうと,ほうとう提供店舗)
生麺 茹で麺
22 97 119
(18.5%) (81.5%) (100.0%)
●すいとん
すいとん だんご汁 つみっこ ねじっこ その他
14(60.9%) 4(17.4%) 4(17.4%) 1(4.3%) 0(0.0%) 23(100.0%)
●おやき
おやき じりやき
8(88.9%) 1(11.1%) 9(100.0%)

   郷土料理は,おっきりこみ・おきりこみ・煮ぼうと・ほうとうとした。ひもかわはその他に分類し,煮込みは郷土料理として昔から煮込みと呼ぶのか,区別がつかないので除外した。すいとんは,そば粉すいとんも含む。
   あまだんごは米粉を使用していたので除外した。小豆ぼうと・いぶしの提供店舗はなかった。
   まんじゅうの提供店舗は6店舗と少ないが,内容の確認が出来ないのでアンケート結果から除外してある。
   味付けはしょうゆ味が59%と最も多かった。味付けは調えやすい,子どもの頃食べた味を再現したなどの意見があった。また,若い人にも「おっきりこみ」を食べてもらえるよう,塩・カレー・トマト・辛みそ味など新しい味もあった。その他酒粕を加えたもの,具材や薬味のトッピングで変化をつける店舗もあった。
   調理方法については,おっきりこみを茹でずに生麺から煮込む調理方法の店舗は,おっきりこみ提供店舗の18%だった。本来塩を加えず打った麺をそのまま野菜と煮込むが,調理時間(提供時間)の短縮,とろみ加減の好き嫌い,おっきりこみ用に麺を打ち売れない場合は無駄になるなどのリスクを考えると,生麺から煮込む方法での調理は難しいなどの話が多く聞かれた。通常のうどんを幅広に切り,下茹でし煮込んだ調理方法が多かった。
   しかし茹で麺を使用している店舗では,おっきりこみの特徴であるとろみをつけるために,最後に小麦粉で調整したり,餅を加えるなどの工夫をしている店舗もあった。
   おやきについては,揚げ焼きのように香ばしく調理されていたり,具材に変化をつけるなど現代に合うよう調理されていた。

3. 提供期間
通年 期間限定
84(51.2%) 80(48.8%) 164(100.0%)
●提供期間 
9~3月 9~4月 10~3月 10~4月 10~5月 11~2月 11~3月 11~4月 12~3月 その他
6(7.5%) 3(3.8%) 6(7.5%) 7(8.8%) 3(3.8%) 3(3.8%) 25(31.3%) 4(5.0%) 9(11.3%) 14(17.5%) 80(100.0%)

   提供期間については,すいとん・おやきは通年で提供しており,おっきりこみは通年と期間限定がほぼ同じ割合だった。期間限定で提供している店舗は,里芋やきのこ・白菜などの野菜が採れる時期に併せて決めていた。
   通年で提供している店舗では,季節ごとに野菜を変え提供していた。
   気温の変化や,具材によって提供期間は決められていた。

4.使用する小麦粉の産地(複数回答) 
県産 国産 外国産 製麺・茹麺・冷凍麺 その他
110(46.8%) 26(11.1%) 36(15.3%) 23(9.8%) 40(17.0%) 235(100.0%)

   小麦粉については,複数の小麦粉をブレンドし使用していたが,使用割合までは調査出来なかった。県産小麦粉を使用していると回答した店舗は47%あった。製粉会社の地粉を使用している店舗が多く,おっきりこみ用茹で麺を使用している店舗(うどん店以外)も多く見られた。小麦粉の品種については,1種類だけで打った麺は切れやすいとの話が多く聞かれ,その結果それぞれの店舗で独自に粉をブレンドすることで,店舗ごとに違いのある麺となり,それぞれの特徴となっている。

5.具材について
●野菜の使用品目件数(複数回答) 
きのこ類 人参 大根 里芋 ごぼう 白菜 青野菜類
162 91 82 69 55 51 44 41
かぼちゃ こんにゃく 山菜類 じゃが芋 茄子 玉葱 海藻類 その他の野菜類
32 24 13 12 12 6 4 20

   野菜の中で多くの店舗で使われていたのは,きのこ類だった。次いで人参,葱,大根,里芋の順に多く使用されていた。かぼちゃも多く,約27%の店舗で使用していた。季節の野菜を使用しており,野菜がおいしい時期にあわせ提供期間を決めている店舗も多く見られた。

●野菜以外の使用品目件数(複数回答)
肉類 練り製品類 油揚げ もち その他
66 52 47 6 5 2 13
●野菜の種類件数(おっきりこみ取材店舗 103件中)
3種類 4種類 5種類 6種類 7種類 8種類 9種類 10種類 11種類 12種類 13種類
4 9 15 20 15 17 9 7 2 4 1
●具材の種類件数(おっきりこみ取材店舗 103件中))
3種類 4種類 5種類 6種類 7種類 8種類 9種類 10種類 11種類 12種類 13種類 14種類 15種類 16種類
1 1 6 13 15 13 19 8 11 4 8 1 1 2

   おっきりこみは,6種類の野菜を使用している店舗が多く,一番多い店舗では13種類使用していた。具材全体でみると,9種類の材料を使用している店舗が多く,一番多い所で16種類の具材が使用されていた。

6.具材の産地は主にどこですか(複数回答)  
群馬県 その他
177(82.3%) 38(17.7%) 215(100.0%)
7.統一名称への変更は可能ですか
変更可能 変更しない 未記入
52(18.4%) 68(24.1%) 162(57.4%) 282(100.0%)
8.メニューにコメントはありますか 
ある ない 未記入
54(19.1%) 57(20.2%) 171(60.6%) 282(100.0%)
●メニューコメント内容(郷土料理提供店舗 123件) 
上州名物 上州田舎料理 おふくろの味 市町村名物 郷土料理 群馬名物 野菜がいっぱい その他 未記入
11 2 5 6 4 2 3 11 78

   メニューのコメントは,「郷土料理」より「○○名物」が多く,写真とともにコメントが書かれている店舗が多かった。
   コメントがない店舗ではメニューの説明はその都度していた。また,宿泊施設では県外からの客が多いことから,歴史や小麦粉が多く作られる背景などを説明していた。

9.家庭で調理できる商品を販売していますか
している していない 未記入
37(13.1%) 144(51.1%) 101(35.8%) 282(100.0%)

   ほとんどの店舗で具材は県内産の野菜を使用していた。県内産野菜使用店舗のうち約6%が自家栽培をした野菜を使用していた。安心安全な野菜を使用した郷土料理を提供したいと,具材の産地を明記している店舗や水や調味料にもこだわった店舗もあった。地産地消推進認定店は郷土料理提供店舗の10%であった。
   名称の変更については,おっきりこみ・おきりこみのメニュー店舗は66%が変更可能としているが,煮ぼうとやほうとうのメニュー店舗は変更しないと回答した店舗がほとんどだった。また,ひもかわはおっきりこみとは別のものなので,変更はしないとの回答であった。

10.今後郷土料理を提供する予定はありますか
ある ない その他・未記入
36(12.8%) 129(45.7%) 117(41.5%) 282(100.0%)
●予定メニュー件数
おっきりこみ すいとん おやき その他 うどん 焼きまんじゅう その他 メニュー未定
11 2 2 7 3 4 7

   今後,郷土料理を提供する予定がある店舗は約13%あり,そのうち31%(11件)がおっきりこみを予定している。
   郷土料理(おっきりこみ)の定義がないことから,「定義を示してもらう(決めてもらう)とおっきりこみが明確になり,今後のメニュー作りが検討しやすい」などの意見も多くあった。

11.ホームページやリーフレットの掲載について
掲載しても良い 掲載しない その他・未記入
138(48.9%) 42(14.9%) 102(36.2%) 282(100.0%)